「いびきがうるさい」「熟睡できた感じがしない」「いつもなんだか頭がぼーっとする」「朝、頭痛がする」などの症状でお困りではないですか?そのような方は、もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かもしれません。
「睡眠時無呼吸症候群」という名前は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?名前は知っているけどよく知らないという方に対して睡眠時無呼吸症候群について簡単に説明します。
気になる方は、当院でも検査を行なっております。自宅で簡単にでき、典型的なものでは重症度も判断することができます。ご希望の方はスタッフまでお声がけください。
いびき(睡眠時無呼吸症候群)とは
まず”いびき”とは、寝ている時に舌が下がるなどで物理的に気道が狭くなることで発生する「ガーガー」とか「グーグー」という音です。狭くなる原因としては、鼻の狭さや顎の形、舌の付け根(舌根部)など人によって異なります。
風邪を引いたりお酒を飲んだ後にも、鼻が詰まったり粘膜がむくんだりすることで一時的にいびきが出ることがあります。一時的なものは問題になることは少ないです。しかし、風邪を引いていなくてもお酒を飲んでなくても、いつもいびきをかいている。そんな時は注意が必要です。
いびきはとなりで寝ている家族・パートナーに迷惑がかかるだけではないのです。いびきをしている人の中には寝ている途中で息が止まる方がいます。その人たちに起こるとされている症状たちを睡眠時無呼吸症候群と言います。日中の眠気だけでなく、交通事故の原因になったり、重症な方では心臓疾患のリスクや脳血管、最近では緑内障なんかも関連していると言われています。
どんな人がなりやすいの?
“いびきをしている人”と言われると、「太った中年以上の男性」というイメージがあると思います。典型的には確かに肥満の方に多いですが、実は、鼻が詰まっていたり、扁桃腺が大きいお子さんもいびきをします。日本人は顔面の骨格(特に顎が小さいこと)が原因でいびきをしている人が多いです。また最近では女性の方で「自覚がないけど実は…」という方がいて、ホルモンバランスが変わる50代の方で徐々に見られるようになる隠れいびきも話題になっています。
■いびきの原因TOP3
- 1位 肥満
- 2位 顎が小さい、顎が後ろに下がっている
- 3位 扁桃腺が大きい
あなたも睡眠時無呼吸かも
下記項目が5つ以上当てはまる方は、一度耳鼻科を受診してください。
■ 寝ているとき
- 大きないびき
- いびきが時々止まり、大きないびきとともに再度いびきをかく
- 寝汗をかきやすくなった
- 夜中に何度も目がさめる
- 呼吸の間隔がまちまち
■ 起きたとき
- 喉が渇いている
- 頭痛がひどい
- どんなに寝ても熟睡感がない
- なかなか起きられない
- 倦怠感がある
■ 日中
- 強い眠気がある
- 一日中倦怠感がある
- 集中力が続かない
検査方法と診断
睡眠時無呼吸症候群の検査は、寝ているときに呼吸状態がどうなっているかを調べます。脳波やお腹の動き、胸の動きや心拍数、呼吸数、血中酸素濃度を測ったりします。方法としては「ご自宅で行う簡易的な方法」と「入院して行う方法」の2通りです。
睡眠時無呼吸の診断にはAHIと言って、寝ている間にどれくらい息が止まっていたかを表す指標を使用して診断します。
診察から検査・治療までの流れ
当院機器貸出しの場合
初診
問診や診察を行います。アレルギー性鼻炎などで鼻が詰まっていないか、解剖学的な気道の狭さなどがないか確認を行います。
検査機器貸出し(自宅で検査)
受診当日に当院より検査機器を貸出します。1週間貸出しいたしますので、2日間検査を行うようにお願いいたします。
検査機器の返却
検査終了後に当院まで機器の返却をお願いいたします。この際診察はございません。
結果説明
検査機器返却1週間後に受診してください。結果をご説明いたします。検査結果次第では精密検査をご案内します。
※当院貸出し機器が不足している場合は業者へ機器を貸出し依頼をかける場合がございます。あらかじめご了承ください。
業者機器貸出しの場合
初診
問診や診察を行います。アレルギー性鼻炎などで鼻が詰まっていないか、解剖学的な気道の狭さなどがないか確認を行います。
検査機器貸出し(自宅で検査)
受診日に当院から業者へ連絡いたします。機器が届きましたら、1週間以内に2日間検査を行うようにお願いいたします。
検査機器の返却
業者への返却用封筒などが付いてます。業者へ返却をお願いします。
結果説明
検査機器返却1週間後に受診してください。結果をご説明いたします。検査結果次第では精密検査をご案内します。
治療方法
治療はできるだけ長く続けていただく必要性があります。侵襲の少ないマウスピースやCPAP(寝る時だけ使う呼吸機)、手術(扁桃摘出、鼻腔手術)、舌下神経電気刺激療法があります。
CPAP療法
CPAPは持続陽圧呼吸療法と言います。睡眠時無呼吸症候群は気道が狭くなることで起こる症状なので、空気を持続的に強制的に送り込むことで気道の狭いところを広げてあげて息をしやすくする治療になります。強風の中で口開けて息をする感じなので少し慣れが必要です。機械によって感じ方も異なりますので変更は可能です。長期間毎日使うものになるのでご自身にあったものを選ばれるのが良いでしょう。お気軽にご相談ください。
治療費:毎月約4,000〜5,000円
マウスピース
顎が小さく舌が下がって気道を狭めている方などに対し、下顎を引き出してあげることで気道の通りをよくする治療方法です。毎日、寝る前につけていただきます。歯科の先生にいびきのマウスピースを作っていただきます。
手術療法
鼻が狭い場合には鼻の空間を広げる手術を行い、扁桃腺が大きい場合には扁桃腺をとる手術を行います。これらについては、当院では施行できませんので、神戸中央市民病院や兵庫県立西宮病院、渡辺病院、明和病院などにご紹介いたします。
舌下神経電気刺激療法
2021年から保険適応になったいびきの治療方法です。睡眠中の呼吸に同期して、顎の下の舌下神経にすごく弱い電気刺激を与えることで治療を行います。舌下神経というのが、舌を動かす神経ですので、舌を収縮させて気道を広げる治療になります。心臓のペースメーカーのような機械を埋め込む治療になりますので、特別に訓練を受けている病院でのみ治療が可能です。関西では、関西医科大学、京都大学、奈良県立医科大学などで行なっており、当院では行なっておりませんのでご希望の方はご紹介いたします。
舌下神経電気刺激療法の適応(一部)
- 18歳以上の方
- 中等度以上の閉塞性睡眠時無呼吸の方
- CPAP治療をしたけど継続できなかった方
- BMIが30kg/m2未満のかた
- 扁桃肥大など解剖学的な異常がない方 など
いびきのQ&A
- 自分ではいびきをしているかわからないけど、どういう時に検査したらいいですか?
-
一番はご家族やご友人などにいびきを指摘された時がポイントになると思います。その他にも上記のような症状がある場合は気軽にご相談ください。
- CPAPはいつまでした方がいいですか?
-
基本的にはずっとです。しかし、肥満や鼻閉など改善が可能なものが原因であれば、それらを改善することでいびきが改善する可能性があります。その場合は終了が可能です。顎が小さい方や他の症状で睡眠時無呼吸となっている場合は、ずっと続けることが必要です。
- 旅行中にCPAPを中止することは可能ですか?
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数日の旅行であればその期間は使用しないこともありだと思います。長期の旅行や出張であれば、持ち運び可能なものが良いでしょう。小さく持ち運び可能なものあります。用途で選んでいただければと思います。
- 睡眠時無呼吸検査は1回だけですか?
-
CPAPを安定して使用できるようになった時点で睡眠時無呼吸の症状がどれくらい改善しているのかなどを確認するため再度検査することがあります。その際はお伝えします。
〜院長コラム〜「意外と気が付かない女性の睡眠時無呼吸症候群」
私も、睡眠時無呼吸症候群について勉強するまでは、中年以降の肥満男性のものだと思っていました。しかし、近年では実は女性も睡眠時無呼吸症候群になることがわかっています。
女性は特に40代後半からホルモンバランスが乱れますので体型などが変わりやすいということもありますが、実は体型よりも「甲状腺機能が低下している人が男性より多い」ことや「顎の小さい方が多い」こと、「閉経後のホルモンバランスの乱れ」が原因しているようです。
男性では40〜50代の方に多くみられる睡眠時無呼吸症候群ですが、女性では60代が一番多くなるという報告があります。これは閉経後の女性ではホルモンバランスの変化により筋力も弱くなり、顎が小さくなったり顎が後ろにずれてしまいます。そのことで気道が狭くなる可能性があるのではないかと考えられています。
女性の症状としては、いびきや日中の眠気もそうですが、朝起きた時の頭痛や全身だるさや寝つきにくさ、うつ症状などもみられるようです。
もしも、家族にいびきを指摘された、朝なんか頭が痛かったりスッキリしないなという方は気軽にご相談ください。