はなの病気
耳鼻科は5感のうち3つの感覚を扱います。
聴覚:耳 嗅覚:鼻 味覚:舌です。
今回は匂いを感じるところ、鼻についてお話しします。
みみの病気
このような症状を感じる場合はご相談ください
  • 鼻水
  • クシャミ
  • 鼻づまり
  • 鼻がかゆい
  • 匂いがよく分からない
  • 鼻がにおう(臭い)
  • 鼻が痛い
  • 頬が痛い など

子どもの鼻垂れ

私も小さい頃は鼻垂れ小僧でよく鼻をすすっていました。父にも「鼻は片方ずつかみなさい」と叱られたものです。子どもは風邪を引くとすぐに鼻が出ます。なぜ鼻水が出てしまうのでしょうか。
鼻には3つの重要な役割があります。
  • 異物を除去する:異物フィルター
  • 乾いた空気を湿らす:加湿器
  • 冷たい空気を温める:加湿器
風邪を引き、細菌やウィルスなどの異物が入ってくると鼻は鼻水や粘液で洗い流そうとしています。これは重要な反応であり、鼻水が出ていることそのものは悪いことではないのです。
ここで疑問が生じます、「鼻水は止めなくていいの?」
止めなくても良い鼻水と止めてあげたほうがいい鼻水があります。止めた方がいい時の代表が、アレルギー性鼻炎や花粉症です。アレルギー反応のような過剰な反応が起きている場合は、くしゃみや鼻詰まりなど症状が強く日常生活に影響してしまいます。症状を抑えてあげることが必要だと考えます。
鼻水を止めるかどうかの加減は非常に難しいのですが、
  • 汚い色の鼻水が多く見られる場合
  • 食事ができなくなったり、息をしづらそうにしている場合
  • 鼻水が多くむせたり、せきの原因なっている場合
には止めてあげた方がいいと言えます。
また黄色く汚い色の鼻水が出ている時は抗生剤を使うこともあります。

アレルギー性鼻炎と花粉症

アレルギー性鼻炎のポイント

  • くしゃみ・鼻水・鼻詰まりはアレルギーの3主症状
  • アレルギーとは、原因物質(アレルゲン)対する過剰な免疫反応。
  • 治療方法は、原因物質の除去・回避、症状に合わせた投薬治療
  • 唯一の根治療法となりうる舌下免疫療法

アレルギーとは

人には細菌やウィルスなどの異物から身を守るための免疫反応というものがあります。アレルギーとは、ある特定の物質に対し免疫反応が過剰に出てしまう状態を言います。これが鼻で起こるとアレルギー性鼻炎と言い、くしゃみ、鼻水や鼻詰まりが出てきます。 ちなみに、アレルギー反応が気管支で起こると喘息、皮膚で起こると蕁麻疹やアトピー性皮膚炎になります。これらは増悪・軽快、再発・消失を繰り返します。これをアレルギーマーチといいます。アレルギーも重症化することがあり、早期発見・早期治療を行うことで重症化を防ぎます。

アレルギー性鼻炎の原因

アレルギー性鼻炎には大きく2種類のものがあり、
特定の季節に症状がでる『季節性のアレルギー性鼻炎』
一年中症状が出てくる『通年性のアレルギー性鼻炎』
季節性は花粉症、通年生はダニやハウスダストによるものが多いです。

治療方法

症状の原因を知り、原因物質を避けることが治療の第一歩です。原因物質からの回避方法や日常生活の注意点について詳しく知りたい方は、いつでもご相談ください。
また、症状に合わせてお薬を飲んだりに鼻スプレーしたりして治療していきます。そのほかには体質を変化させ改善させる舌下免疫療法や既存の治療では改善しない重症例の方に対する注射の治療などもあります。当院では、主に舌下免疫療法で治療を行います。
それぞれの治療方法について詳しく知りたい方はいつでもご相談ください。

花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)

花粉症といえばスギ花粉症を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。スギ花粉症は今や国民病とも言われており、国内の約4割(4人に1人)の方が花粉症であると言われています。花粉症の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の痒みになります。ある特定の時期になるとくしゃみや鼻水が多くなる場合などでは、花粉症を疑います。くしゃみの回数などは重症度の判定に使用しますので、気になる方はご相談ください。

副鼻腔炎(蓄膿症)

副鼻腔炎のポイント

  • 鼻には鼻腔のほかに4つの洞穴(副鼻腔)がある
  • 副鼻腔炎・蓄膿症とは副鼻腔で炎症・感染が起こり膿が溜まること
  • 手術が必要な副鼻腔炎はごく一部

副鼻腔炎(蓄膿症)とは

黄色い鼻が出たり、鼻がつまったり、変な匂いがしたり、匂いがしなくなったり、頬や眉間が痛くなったりした場合にはこの副鼻腔炎・蓄膿症になっている可能性があります。 副鼻腔といっても聞き慣れない人が多いと思います。鼻の空気の通り道を鼻腔(びくう)と言います。その周囲には4つの大きな洞穴があり、それを副鼻腔(ふくびくう)と言います。場所は、額のあたり(前頭洞)、頬(上顎洞)、目の内側(篩骨洞)、鼻の奥(蝶形骨洞)の4つです。これらで炎症感染を起こし膿が溜まるので蓄膿症と言いますが、正式名称は副鼻腔炎と言います。

副鼻腔炎の症状

汚い鼻水、喉の奥に鼻が垂れる後鼻漏、鼻詰まり、頭痛・顔周囲の違和感、頬の痛み、ひどい時には匂いがしなくなったり、鼻血が出ることもあります。

診察・検査

まずは問診・診察・細菌検査を行い症状を特定します。必要な場合は内視鏡検査やCT検査などを行います。CT検査は当院で施行できませんので、連携施設へご案内させていただいています。

治療方法

内服治療と手術治療があります。
まずは、抗生剤などの内服治療を行います。
なかなか症状が改善しない場合などは、CT検査などを行い鼻腔・副鼻腔に炎症が残っていると判断される場合は手術治療を検討します。

手術が必要な副鼻腔炎とは

副鼻腔炎で手術までが必要な場合は限られています。
  • 既存の副鼻腔炎治療に抵抗性がある(数ヶ月治療して改善しない)場合
  • 腫瘍などが疑われる場合
  • ポリープなどで鼻詰まりや嗅覚障害がひどい場合
  • 昔手術した場所に袋状の出来物ができ痛みの原因になっている場合
  • 特殊な副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎)の場合
などの時に手術が必要になると考えられます。
当院では治療を行っておりませんので、総合病院などの連携施設へご紹介いたします。

特殊な副鼻腔炎:好酸球性副鼻腔炎とは?

喘息を持っている人の中で、鼻たけを伴う副鼻腔炎を引き起こす方がいます。また困ったことにその副鼻腔炎はなかなか治りにくく難病指定の疾患となっています。名前を「好酸球性副鼻腔炎」と言います。
既存の治療ではなかなか症状が抑えることができず、嗅覚障害を引き起こすことがあります。

検査方法

診察・血液検査・CT検査・鼻たけ採取の4つを行い、診断します。
問診で喘息などがないか確認し、CT検査で副鼻腔炎の状況などを確認します。血液検査で好酸球の数を確認し、これらの結果から好酸球性副鼻腔炎が疑われる場合には鼻タケを採取して診断します。

治療方法

まずは既存の内服治療を行います。症状が強い場合にはステロイドなども使用します。ステロイドは良い効果が期待できますが、全身での副作用も強いため使用が限定されます。
既存の治療を行っても症状が強い、鼻たけが多く息苦しいなどがあれば手術を検討します。当院では手術治療が行えないため、連携施設への紹介を行います。

寒暖差アレルギー

アレルギーといえば”花粉症”や”食物アレルギー”は有名ですが、”寒暖差アレルギー”もTVなどでとり上げられているので、名前をご存知の方も多いのではないでしょうか。
急に温度差を感じるところに行くと、鼻水が出たりくしゃみをしたりします。例えば夏のデパートなど急にくしゃみしてしまうことはないですか?そんな寒暖差アレルギーについて症状や原因、対策についてお話しできればと思います。

寒暖差アレルギーとは

寒暖差アレルギーは、医学的には「血管運動性鼻炎」と呼ばれています。厳密には、アレルギーではなくて自律神経の働きからアレルギーに似た症状が出るので、寒暖差アレルギーと呼ばれるようになりました。そのため、花粉症やハウスダストなどのような原因物質があるわけでなく、急激な気温変化で自律神経が乱れてくしゃみや鼻水、鼻詰まりなどが出ます。

主な症状

  • くしゃみ
  • 鼻水(朝方や冷たい空気に触れた時に悪化することが多いです)
  • 鼻づまり
  • 体のだるさ
花粉症などでみられる、目の痒みはないことが多いです。
季節の変わり目や冷房のよく効いた部屋で起こりやすいです。
花粉症とよく似ているとこともありますが原因が異なります。

発症のメカニズム

明確な基準があるわけでは無いですが一般的に「7度以上の温度変化」が引き金になると言われています。夏のデパートなんかでよく起こるのですが、暑いところから急激に冷えた場所に行くことでくしゃみが出てしまうことがあります。急激な温度変化を感じて自律神経のバランスが崩れて、鼻の血管の拡張を繰り返して、鼻粘膜から分泌物が増え症状が出現します。
余談ですが、自律神経の乱れでいうと冷たい場所で熱いものを食べに行った時も同じで自律神経がバランスを崩して、食事中に鼻水が出てしまうこともあります。

対処法と治療

室内外での温度差に注意

首とつく場所には皮膚と近い場所に血管があります。手首や首元を冷やさないようにして、室内外での温度差を抑えるために上着を着たり、マフラーなどを使用するのが良いでしょう。

自律神経を整える

  • 規則正しい生活や十分な睡眠
    毎日同じ時間位寝起きしたり、3度の食事を決まった時間にとったりすることで自律神経が整います。
  • リラックスする方法を身につける
    緊張を和らげる好きな香りでリラックスしたり、40度前後のお風呂にゆっくり浸かっていただくことで交感神経の緊張がほぐれて、リラックス状態になると症状を軽減できます。これにより十分な睡眠も取れればより効果が得られるでしょう。
  • バランスの良い食事
    バランスの良い食事も自律神経を整える上で大切です。

治療法

抗アレルギー薬や漢方、ステロイド点鼻薬などで症状を緩和させます。重症な時は手術を検討します。